クラウドサービスは、企業の業務効率化やコスト削減に大きく貢献していますが、一方で、セキュリティに対する懸念も根強くあります。
今回は、主要なクラウドサービスであるAWS、Azure、Google Cloud Platform(GCP)のセキュリティ対策について、具体的な事例を交えながら解説していきます。
AWS(Amazon Web Services)のセキュリティ対策
AWSは、世界で最も利用されているクラウドサービスの一つです。
AWSのセキュリティ対策は、以下の3つの層で構成されています。
- 物理的なセキュリティ
データセンターの監視カメラ、アクセス制御、自然災害対策など、物理的なセキュリティ対策を徹底しています。 - ネットワークセキュリティ
ファイアウォール、VPN、DDoS攻撃対策など、ネットワークレベルでのセキュリティ対策を強化しています。 - サービスレベルのセキュリティ
IAM(Identity and Access Management)によるアクセス制御、暗号化、監査ログなど、各サービスレベルでのセキュリティ対策を提供しています。
事例
- AWS Shield
DDoS攻撃からWebアプリケーションを保護するマネージドサービスです。 - AWS WAF
Webアプリケーションファイアウォールで、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどの攻撃からWebアプリケーションを保護します。
Azure(Microsoft Azure)のセキュリティ対策
Azureは、Microsoftが提供するクラウドサービスです。
Azureのセキュリティ対策は、以下の3つの柱で構成されています。
- セキュリティセンター
Azureのセキュリティ状態を一元管理し、脅威を検知し、対応するためのサービスです。 - Azure AD
Azure Active Directoryは、クラウドベースのIDおよびアクセス管理サービスです。 - Azure Security Center
Azureのセキュリティ状態を監視し、脅威を検知し、対応するためのサービスです。
事例
- Azure Security Center
機械学習を活用して、異常なアクティビティを検出し、セキュリティの脅威を予測します。 - Azure Key Vault
暗号化キーを安全に管理するためのサービスです。
Google Cloud Platform(GCP)のセキュリティ対策
GCPは、Googleが提供するクラウドサービスです。
GCPのセキュリティ対策は、以下の3つの原則に基づいています。
- セキュリティの透明性
GCPのセキュリティに関する情報を積極的に公開しています。 - セキュリティの自動化
機械学習を活用して、セキュリティの自動化を推進しています。 - セキュリティのオープンソース
オープンソースコミュニティとの連携を強化し、セキュリティの向上に努めています。
事例
- Cloud Security Command Center
GCPのセキュリティ状態を一元管理し、セキュリティリスクを可視化するためのサービスです。 - Cloud Armor
DDoS攻撃やWebアプリケーション攻撃から、Webアプリケーションを保護するためのサービスです。
各クラウドサービスの共通点と相違点
各クラウドサービスは、それぞれ独自のセキュリティ対策を提供しています。
共通点として、以下の点が挙げられます。
- 多層防御
物理的なセキュリティ、ネットワークセキュリティ、サービスレベルのセキュリティなど、多層的なセキュリティ対策を講じています。 - 自動化
機械学習などを活用し、セキュリティ対策の自動化を推進しています。 - 透明性
セキュリティに関する情報を積極的に公開しています。
一方、相違点としては、各サービスが得意とする分野や、提供する機能が異なります。
まとめ
クラウドサービスのセキュリティ対策は、日々進化しており、各クラウドサービスは、それぞれ独自のセキュリティ対策を提供しています。
企業は、自社の要件に合わせて最適なクラウドサービスを選択し、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。